人類の「大いなる営み」の一端を子ども達へ。
※YondemyではMissionとして「日本中の子どもたちへ豊かな読書体験を届ける」を掲げている一方で、Visionはあえて一つに限定するのではなく、メンバーそれぞれが思い描くこととしています。
経験の伝達手段として、基本的に遺伝情報と親子間のコミュニケーション(餌場がどこか、何が食べ物か、etc.) しか持ち合わせていない大半の生物と異なり、人間は文字を媒体として情報をより広い範囲の他者に伝達する能力を獲得した。その中で生み出されたの本という文書形態である。
物語にせよ歴史的事実にせよ、現代に生きる我々がそれに触れることができるのはひとえに本のおかげである。ギルガメシュ叙事詩、三国志、千夜一夜物語、ジェイクスピアの詩、これらの作品は本に残されてきたからこそ我々も読むことができている。
時は変わって現代―—2010年代以降紙媒体の本は急速にすたれ始めている。
しかし、数千年にわたって人間が使い続けてきた道具である本にはいつの時代になっても変わらない普遍的な価値があるはずだ。例えば、子どもがお菓子を食べながら読んだ絵本にはシミがつくかもしれない。だけどそのシミすら、20年経てば幼いころの自分の足跡となる。デジタルの世界には、そうしたことは起こらない。本それ自体に歴史が積み重ねられている。
今、紙の本の良さを人々に再認識してもらわねば、数千年にわたって続いてきた人類の「大いなる営み」は途絶えてしまうかもしれない。現代にまで伝わってきた本という媒体を次世代に継承する、そんな壮大な試みに携わってるんだ、と感じながら仕事をしたいと思っている。