心のベクトルの向きを変える
※YondemyではMissionとして「日本中の子どもたちへ豊かな読書体験を届ける」を掲げている一方で、Visionはあえて一つに限定するのではなく、メンバーそれぞれが思い描くこととしています。
Yondemyを通じて読書を好きになるとき、その子の心に何が起こっているのかを考えてみると、心の向かう先が変わっているのではないかと思われる。
心はいつもある方向へと向かう傾向を持っている、と仮定する(これを欲望と言い換えられるかもしれない)。心の向かう先は、かなりの程度、周囲の環境によって影響されている。社会には心のベクトルに影響を与えるさまざまな向きの力が溢れているが、放っておけば個人の心はある方向へと押し流されていく。それで、YouTubeばかりを見てしまうということも起こる。
私たちの仕事は、計算に基づいて、子どもの心のベクトルの向きを変更することにある。人の心を思い通りに操るなんてことはそもそも不可能だけれども、どうにか「読書」の次元へと差し向ける。ひとたび「読書」へと方向づけられた心が、そのあとでどんな軌跡を描いて運動するのかは誰にも分からない。それでも、以前よりはましな方向へと動いていけるのではないか。本と出合うこともまた、心の向きを変える出来事になりうる。