未知なる他者と出会う旅へ
※YondemyではMissionとして「日本中の子どもたちへ豊かな読書体験を届ける」を掲げている一方で、Visionはあえて一つに限定するのではなく、メンバーそれぞれが思い描くこととしています。
異なる価値観の土壌に立って世界を体験できることが本の持つ一番の魅力だと思ったため、このような個人Visionを設定しました。
大学では絵画を中心とした芸術論を学んでいるのですが、特にヨンデミーで読書に携わるようになって、本という表現媒体の優れた点、本が向いていることについて考えるようになりました。
表現媒体の一つとして本を捉えたとき、思考などの外から見えない情報を一度にひとつの体系として伝えることができるところが、例えば絵画のような視覚情報やウェブサイトといった他の媒体に比べて優れている点だと思われました。これは本が言葉という抽象的なものを主に扱うという性質や、統一感のある完結した形で文章を提供できるという性質によるものだと考えています。
個人Visionにある「未知なる他者」とは、本の著者であり、本の中で言及される人物のことを想定しています。彼ら彼女らの背景や価値観は読者と全く同じということはなく、多少なりとも必ず「未知」である部分を含んでいます。そうした「未知なる他者」がいる地に立ってその世界を共有するという試みが、読書では顕著に行われるのではないかと考えています。
このような体験をお子さんに広めたいというヨンデミーの視点から未来に期待することは、本の世界で他者との出会いを沢山経験した子ども達が、現実世界でも他者に思いを馳せられるようになること、そしてそれが社会全体へと広がることです。目に見える他者との繋がりが薄くなっている現代だからこそ、読書によって想像力が育まれることで人間同士の暖かなコミュニケーションが生まれると信じたいです。